今回の感想は2024年3月の電撃文庫新作「少女星間漂流記」です。
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あらすじ(BWより引用)
ふたりぼっち、安住の星を探し求めて宇宙旅行。
馬車が銀河を駆けている。馬車を模した宇宙船が。
乗っているのは、この風変わりな宇宙船を造った科学者・リドリーと、相棒の内気な少女・ワタリ。
環境汚染で住めなくなった地球を後にして、二人は馬車を走らせる。目指すは、地球に代わる安住の星。
けれど、二人が訪れるのはどれも風変わりな星ばかり! 万物を生き返らせることができる神のいる星、運が良い人間ほど偉いとされる星、無数の図書館ばかりがある星……変わった星々に、二人の少女は翻弄されてしまうことも……。
「次こそ住める星だといいな」二人は今日も、広い宇宙を旅している。
感想
ワタリとリドリーで渡り鳥。
こういうネーミングはなぜだか無性に気に入ってしまいますね。
本作はそんな二人の少女が、滅びた地球から宇宙船で脱出してから新たに定住する星を探して旅しているお話です。
短編形式で合計15の物語が展開されており、どれもサクッと読めて心地が良いです。元々が電撃ノベコミで連載されており、通勤時間のような短い時間に読めるような作品として始まったそうなので、まさしくその通りの読みやすさがありました。
内容としてはSF。サイエンスフィクションではなく「ちょっと不思議」のSFです。
各星ごとに独自の生命体や、生活様式、環境などがあって、それを見て回るのを楽しむような感じです。
あっと言わされるようなものもあれば、本当に短くてクスリと笑えるような微笑ましいもの、宇宙の中で旅するワタリとリドリー二人の絆を感じるものなど。多種多様な味わいがあって、一辺倒にならない面白さがとても良かったと思います。また時折、異星人の生態を引き合いにして地球人を揶揄するブラックユーモアも光るように感じました。
そういう作品ですので。
1冊で大きな物語があるタイプではないですし。ワタリやリドリーの出会いや仲良くなるきっかけのような部分はスキップして、二人で旅している状態からスタートしてます。1個1個の話も短いため、好きになれなかった星はあまり印象に残らなかったりするかもしれません。
しかし、舞台やキャラはそういうものと受け入れた上で、短編の中に自分の好きなお話あるだろうかと思いながらアレコレと読むようにすると。これが本作を楽しむには丁度いいのではないかと思いました。個人的には「悪の星」「光の星」なんかのお話が好きでしたね。
総評
ストーリー・・・★★★ (6/10)
設定世界観・・・★★★★ (8/10)
キャラの魅力・・・★★★ (6/10)
イラスト・・・★★★ (6/10)
次巻以降への期待・・・★★★ (6/10)
総合評価・・・★★★(6/10) 短編としてサクッと楽しめるのが良い感じでした。
※星評価は10段階。白い☆で1つ、黒い★で2つ分。★★☆だと評価は5、★★★★★だと評価は10ということになります。基本的には「面白さ」よりも「わたしが好きかどうか」の評価になります。評価基準に関しての詳細は以下のリンクより。
新作ラノベ感想の「総評」について - ぎんちゅうのラノベ記録
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